「じょんがらぴこたこ」「あっぺらこのきんぴらこ」
題名からはどんなお話か想像もつかない不思議なお話。
奇妙で、少し怖い表紙。でも読み始めるとワクワクしちゃう。
だからこそ続きが気になってしょうがない。
そんな絵本「めっきらもっきらどおんどん」の魅力とあらすじについて紹介していきます。
- めっきらもっきらどおんどんってどんなおはなし?
- めっきらもっきらどおんどん おすすめの年齢は?
- めっきらもっきらどおんどん 読み聞かせのポイントは?
めっきらもっきらどおんどん
題名 | めっきらもっきらどおんどん |
作者 | 作 長谷川 摂子 画 ふりや なな |
出版社 | 福音館 |
発売日 | 1990年8月 |
おすすめの年齢 | 3歳ごろから |
めっきらもっきらどおんどん あらすじ
その日は遊ぶ友達が誰もいなくて、主人公のかんたはちょっとイライラ。
しゃくだから大きな声で即興の歌を歌います。
「じょんがらぴこたこ めっきらもっきら どおんどん」
すると、木の根っこに空いた穴から声が聞こえて、覗き込んだかんたはあっという間に穴の中に吸い込まれてしまいました。
穴に落ちたかんたの前には、3人の妖怪?とも神様?とも見える、陽気な生き物が。
それぞれが「しっかかもっかか」「もんもんびゃっこ」「おたからまんちん」と名乗り、かんたはその3人といろいろな遊びをして盛り上がります。
散々遊んでおなかが空いて、ふぅわり甘くておいしい実を食べておなかがいっぱいになったところで、遊び疲れた3人の妖怪は眠ってしまいます。
月を見上げてさみしくなったかんたは、、、。
奇妙でどこか愛着のわく3人組と一人の男の子が繰り広げるちょっと不気味な中にスリルと心躍るストーリーが光る、子どもたちに大人気のお話です。
私もお気に入り!こわくないよ!
めっきらもっきらどおんどん 魅力を紹介
独特な雰囲気と引き込まれる言葉
まず楽しんでほしいのが、この絵本の雰囲気。
日本の夏休みっぽい、どこか懐かしい「和」の感覚。
そこに、誰もいなくてもの寂しく、ちょっと奇妙な空気を感じます。
リズムよい言葉選びとフレーズが、お話を読んでいる大人さえ物語に引き込んでいく構成。
まるでかんたと同じ感覚で、木の根っこにあった穴の中に落ちて行ってしまうようです。
筆者はこの絵本を、3歳児さんに読み聞かせするのですが、
「落ちるーーーーー」
と、かんたが穴の中に落ちていくのを見ていられなくて自分の手で目を覆ったり、まん丸に見開いた目で見つめたりと、まだまだお話の序盤でもすっかり引き込まれているのがわかります。
個性あふれる登場人物
お話に出てくる妖怪?の3人組がとっても個性的。そして魅力たっぷり。
躍動感たっぷりの表情や動き、愛嬌のある3人がかんたと楽しそうに遊ぶ姿は、見ているこちらまでワクワクします。
かんたが寂しくなって、「〇○○ー!」と言ってはいけないワードを口にしようとする場面では、3人が「それをいってはおしまい!」とかんたに飛びつくのは、3人もきっとかんたとの時間が楽しくて仕方なかったのでしょう。
お話が始まってから、終わりを迎えるまでずーっと感じられる不思議な感覚となつかしさ。
イメージ力のついてきた3歳ごろから大人まで、しっかりと楽しめる物語です。
めっきらもっきらどおんどん 読み聞かせのポイント
お話の雰囲気を大切に
かんたが一人ぼっちの時は静かなテンションでさみしげに読みます。
少し不気味で静かな雰囲気が子どもたちの集中を促します。
かんたの即興の歌はむしゃくしゃしている気持ちを込めながら、でも大きくなりすぎず、ここでもお話全体の静かな雰囲気を押さえながら読むといいと思います。
一番の盛り上がりを見せる、3人組とかんたの遊ぶシーン。
読み手は3人のキャラクターをイメージしながら少し声色を変えてみても面白いですね。
勢いのあるシーンですが、ページめくりはゆっくりとがおススメ!
子どもたちはじっくり絵を見て、自分の頭の中でもお話を膨らませています。
細かなところまで見られるよう、あえてゆっくりと絵を楽しむ時間を作ってあげてください。
めっきらもっきらどおんどん まとめ
筆者はジブリ好きでもあるのですが、このお話を読むたびに「千と千尋の神隠し」を思い出します。
夢だったのか現実だったのか、、、最後にかんたが握っているおたからまんちんにもらった、水晶玉。
そして、歌が思い出せなくてもう戻れない3人組と過ごした世界。
「神隠し」というとなんだかもうもだって来られない世界のようで怖さを感じますが、この物語の世界は行けるならもう一回行ってみたいと思えるような安心感も感じられます。
子どもたちも、かんたが「○○〇ー!」と言ってしまったことで、自分の世界に戻ってきたという安心感を感じて「もう一回読んでー」と何回も楽しめるのかなとおもいます。
コメント